在宅試験観察と補導委託試験観察

少年事件では、最終的に家庭裁判所で審判が開かれ、処分が決まるのですが、処分をいったん保留して、少年の生活状況を一定期間観察したうえで最終的な処分を決める、という「試験観察」(少年法25条)の審判がなされることがあります。

 

試験観察には、大きく分けて、自宅など少年の縁のある場所で生活させる「在宅試験観察」と、家庭裁判所が適切な委託先に少年を預けて生活させる「補導委託試験観察」の二種類があります。補導委託試験観察の場合には、委託先に補導委託の費用が家庭裁判所から支給されます。

 

補導委託先としては農家、飲食店など、長年住み込みで少年を就労させてきた実績のあるところが家庭裁判所に登録されているのですが、最近は、住み込みという就労形態が減っているうえ、不景気や後継者難などの影響で年々減少してしまっています。

 

審判の直前になって、「少年院送致ではなくて試験観察になるようにして欲しい」と頼まれる少年や保護者の方がおられますが、試験観察の期間は約6か月間に渡るので、その間の生活をどうするのか、学校・就職先はどうするのか、保護者との関係改善はどうするのか、不適切な友人関係をどうするのか、など事前に計画すべきことが多くあり、また、その計画がある程度整っていなければ家庭裁判所は試験観察を選択しません。

 

私が今までに経験した少年事件では、一度だけ試験観察になった少年がいますが、その少年は、私が紹介したキリスト教の牧師さんに少年を預けて生活する在宅試験観察でした。生活の費用は、保護者の援助と少年が牧師さんから紹介された仕事で働いた給料で賄いましたが、これも事前に審判前に少年、保護者、牧師さん、私、家庭裁判所で打ち合わせをしていたとおりでした。

 

いずれにしろ、審判で試験観察になるためには、事前の準備がかなり必要ですので、早めにご相談してください。